スピードキューブを超簡易CFOPでそろえる

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はじめに

1980年と言えば,私が未だ大学生だった頃.爆発的にルービックキューブが流行った頃です.

同封された解法でなんとか合わせることは出来ても直ぐに忘れるほど難解だった事を覚えています.

早くも年末には,数学セミナーという雑誌に「魔方体術免許皆伝ルービックキューブの完成法」と言う記事が載り,2分程度で確実に揃えられるようになりました.

翌年には「ルービック・キューブで群論を学ぼう」と言う特集があり,ここに載っていた解法(ルービック・キューブによる群論入門)が実に論理的だった事を覚えてはいますが解法は完全に忘れました.

確か,手前がS(outh),右がE(ast),奥がN(orth),左がW(est),上がT(op),下がB(ottom)だったはずで,ENWSの順に廻す操作を「世界一周」と呼んでいたような...

その後,これらの記事をまとめて書籍としても発行されていたんですねぇ.知りませんでした.

でも絶版のようで,リセール品が1万円超え.蒐集目的でしか購入する意味は有りませんねぇ.

スピードキューブ

しかしそれから月日は経ち,10年ほど前にふとルービックキューブに触れる機会があったのですが,「スピードキューブ」と言う名称に変わっていて,その解法も別次元へ...隔世の感とはこのこと.

もうすっかり,ルービックキューブのそろえ方を忘れてしまった事も有って,この新解法(CFOPと言うらしい)を覚えてみようとしましたが,まぁ,私のようなお年寄りには手順の種類が多すぎる!とてもムリ.覚えられない.

CCrossCross最下層に十字をつくる(通常は白面)
FFirst 2 LayerF2L下2層を一気に揃える
OOrientation of Last LayerOLL最上層の向きを揃える(通常は黄一色)
PPermutation of Last LayerPLL最上層の順序(位置)を揃える
CFOP法

覚えるのでは無く,理屈を知れば良いのかも知れないけど,それも頭がついていかない.

しかし今は便利になりました.いろんな説明動画をアップされている方が居られて,今の私には「簡易CFOP」と言うのがピッタリ.しかも,最終局面では「Tパーム」と「Uパーム」しか使わない.と言うか覚えられない.この考えは,CFOP法をLBL(Layer By Layer)法に先祖返りさせただけですが...

そこで,私なりの「そろえるだけならこれで十分」と言う手順を公開させて頂きます.

世界共通の国際色で白が下面での説明になります.白が上とか青が下だと言う説明もありますが,私は白下しか出来ません.

手順.1 白十字

う~ん...これは,どうにも説明が難しい.とにかくがんばってそろえるしかないです.

黄センターの廻りに白エッジを移動してから,白センターの廻りに移動する方法(手順.0)が初心者用に紹介されています.

直ぐに「遠回りだなぁ」と気付いて,いきなり白十字を揃えることになるでしょう.

これも,手練れにかかけると一瞬なんですねぇ・・・私は早くても10秒は必要です.遅~い!

手順.2 一層目完成

この段階で,本来のCFOP手順では「F2L」と言う手順(41パターン!)を覚えなければいけないそうですが,私には到底無理なので一層ずつ着実に済ませていきます.言ってみれば「First 1 Layer」.次の二層目が「Second 2 Layer」なら,超簡易CFOP法は【CFSOP法】ってとこです.

基本手順

覚えるのは下の4種類(事実上2種類)だけで,この手順はこの先も頻繁に登場.

右の基本  R U R’    右の基本+  R U R’ (U’)

左の基本  L’ U’ L    左の基本+  L’ U’ L (U)

(U)や(U’)は廻さずに次に進むことが多い

なお,以下のパターン位置に目的の「コーナーキューブ」を移動させる手順は省略します.

パターンA

上面にあるコーナーキューブの右側が白(×印;以下同じ)の場合

右の基本のみ

パターンB

上面にあるコーナーキューブの左側が白の場合

左の基本のみ

パターンC

上面にあるコーナーキューブの上側が白の場合

R U2 R' U' 右の基本
(右の基本で U を U2 として更に右の基本)

【右基本+】3回でも揃いますが,上の方法が身についてしまいました.

パターンD

下面にあるコーナーキューブの右側が白の場合

右の基本 目的の位置へ移動させ 右の基本

パターンE

下面にあるコーナーキューブの左側が白の場合

左の基本 目的の位置へ移動させ 左の基本

これで,一層目(下面)の白が完成.

パターンF

なお,既に違うコーナーキューブが予定の位置にあれば,右の基本か左の基本で上に移動させてから,本来の位置に移動させます.

手順.3 二層目完成

超簡易CFOP(CFSOP)の二層目完成手順です.

ここでも,使う手順は右の基本(+U’)と左の基本(+U)だけですが,途中で次の動作が加わります.

  • y :キューブ全体を上から見て右廻りに90度回転する操作  F 面が L 面に移る
  • y’:キューブ全体を上から見て左廻りに90度回転する操作  F 面が R 面に移る

この様な持ち替えを行わずに操作することは可能ですが,L面での操作をF面で行う事になるので,持ち替えた方が簡単です.

また,もう一度最後に持ち替え動作を戻す必要は無いので,以下の説明では(y),(y’)としています.

なお,以下のパターン位置に目的の「エッジキューブ」を移動させる手順は省略します.

パターンA

上面にあるエッジキューブと同配色のセンターキューブを左右に見た状態で,エッジ色とセンター色が一致する側が左の場合

一致する側の面をF面の位置に持って

U 右の基本+ y 左の基本 (y')

最初の U は,目的のセンターキューブから遠ざけると覚えましょう.

パターンB

上面にあるエッジキューブと同配色のセンターキューブを左右に見た状態で,エッジ色とセンター色が一致する側が右の場合

一致する側の面をF面の位置に持って

U' 左の基本+ y' 右の基本 (y)

ここでも,U’ は目的のセンターキューブから遠ざけると覚えましょう.

パターンC

  • 揃えていないエッジキューブが二層面にある場合
  • 既に二層面の正しい位置に入っているが色が反転している場合

パターンAの手順で上面に移動させておいてから,パターンA,Bのどちらかで揃えることになります.

手順.4 黄十字

超簡易CFOP(CFSOP)の最上層完成手順の第一段階です.Oの前に(黄色の)C(ross)だけの操作になりますので,CFSCOPと言う事になります.だから揃える時間は遅くなります.

ここでも,使う手順は【右の基本+】と【左の基本+】だけですが,前後でF面の操作が加わります

また,黄色のエッジキューブの初期状態で大きく3通りのパターンに分かれますが,殆ど同じ操作となります.

なお,この操作では黄センターキューブとエッジキューブだけに注目して,コーナーキューブの黄色は無視します.

最初に,全てのパターンをまとめた遷移図を載せておきます.同じ操作のくり返しですので,覚えやすいでしょう.

上十字揃えの遷移図

パターンA

黄センターと2個のエッジの黄色面で一文字となっている場合

一文字を横にした状態で持って

F 右の基本+ F'

パターンB

黄センターと2個のエッジの黄色面でL字になっている場合

時計の針が3時半を示すような位置(L字を右に90度回転した状態)にして持って

Fw 右の基本+ Fw'    (Fw,Fw'はF面2層分を廻す意味)

手数は増えますが,時計の針が9時を示すような位置にして持った場合は次の手順でも十字になります.

F 右の基本+ F' F 右の基本+ F'   (途中のF',Fは省略できる)

パターンC

エッジの黄色面が無くて黄センターの一個のみの場合

F 右の基本+ F'

上の操作の後,パターンBの状態になっているので

Fw 右の基本+ Fw'

手順.5 黄色面完成

CFOP法の「Orientation of Last Layer」の部分ですが,OLLの略称で呼ばれる手順です.本来なら手順.4からの一気揃えで57パターンに分類されていて,とても覚えられる数ではありません.

手順.4をいったん挟んだことで,ここまで来ると最上層の黄色面は手順.5の最終形である前面黄色に揃ったパターンを除けば全部で7パターンという事になります.

この7パターンから一気に黄色面完成に持って行く方法を覚えれば良いのですが,それすら大変な私は,一種類の方法だけで揃えたい!

幸いなことに,先達がたった一つの手順(右,左で2種類)を繰り返すことで全て揃えられる「Sune」と呼ばれる操作方法を生み出して下さっています.【スーン】と言う発音らしいのですが,元々は【スーネ】だったとか...まぁ,好きに発音してください.

  • Sune       R U R’ U R U’2 R’
  • AntiSune     R U’2 R’ U’ R U’ R’

ただ,私が覚えたのはどうやら「AntiSune」と呼ばれるものらしくて,Suneの逆手順だとか.

と言う事で,以下の説明ではAntiSuneを使って説明していきます.

また,ASなどと略してしまうと判り難いですし,単純操作のくり返しですのでAntiSuneで進めます.

Sune や,下記の「左Sune,左AntiSune」まで加えると更に単純化できますが,ややこしいので止めておきます.

  • 左 Sune      L’ U’ L U’ L’ U2 L
  • 左 AntiSune    L’ U2 L U L’ U L

ここでも最初に,全てのパターンをまとめた遷移図を載せておきます.同じ操作のくり返しですので,覚えやすいでしょう.赤○のコナーキューブを右奥の位置に移動してスタート.

上面色完成までの遷移図

黄色キューブが6個揃った2パターン.

パターンA

これは,全ての原型となるAntiSuneのパターンです.他の6パターンはすべてこのパターンになります.

AntiSune

パターンB

本来なら【Sune】1回で揃えられますが,AntiSuneしか覚えていない私はここでもAntiSuneだけを使います.私なら,今後は【左AntiSune】を覚えることにします.

AntiSune U2 AntiSune   または   左AntiSune   または   Sune

黄色キューブが5個揃った2パターン

パターンC

AntiSune U' AntiSune

パターンD

AntiSune AntiSune

黄色キューブが7個揃ったパターン

パターンE

AntiSune U2 AntiSune  U' AntiSune   (AntiSune U2 + パターンC)

U2 は U’2 の方が廻しやすいと思います.

左AntiSuneが使えれば,手順は少なくて済みます.

左AntiSune U' AntiSune

パターンF

AntiSune U AntiSune U' AntiSune    (AntiSune U + パターンC)

パターンG

AntiSune AntiSune AntiSune       (AntiSune + パターンD)

以上,全7パターンです.

同じ事のくり返しですので,常にパターンAを目指して揃えていくことになります.

手順.6 最上面のコーナー合わせ(コーナーPLL)

ここから先は,CFOP法で言う最後の PLL で一気に揃えるのですが,これもまた17パターンもあって大変です.少し頑張れば12パターンぐらいまでは覚えられそうですが,最上面のコーナー合わせは

Tパーム   R U R’ U’ R’ F R2 U’ R’ U’ R U R’ F’ (右の基本+ R’FR2U’R’U’ 右の基本 F)

だけで済ませます.この手順は,今までと違って結構複雑ですのでとにかく慣れるしか有りません.

何回も操作し続けると,そのうち手が勝手に動くようになりますのでご安心を.

私にとって,ここが最大の難関でした.

パターンは2種類しか有りません.U or U’ をして位置合わせをしてみて下さい.

まれにこの手順だけで,次の手順.7も済んでしまうこともあります.その場合は,完全6面完成です.おめでとうございます.

パターンA

4個のコーナーーキューブのうち,隣り合う2個だけの位置があっている場合

2個ペアで合っている面を左(L側)にして

Tパーム

パターンB

4個のコーナーキューブのうち,向かい合う2個だけの位置があっている場合

とりあえず,

Tパーム

を行ってから,パターンAの位置に持ち変えるなり U or U’ をして

Tパーム

意外にあっけない手順.6ですが,頑張ってTパームを覚えるしか有りません.

このパターンは,【Yパーム】という手順を使えば一回で揃うのですが,未だ覚えられません...

人によっては最初に覚えるべきは【Aパーム】だ【Jパーム】だと言われてますが,それぞれa と bの2種類 を覚えるくらいなら,多くて2回使用することにはなりますが【Tパームが便利だと思っています.

手順.7 最上面のエッジ合わせ(エッジPLL)・・・6面完成

さぁ,いよいよ最後です.

ここで現れるパターンは4種のみになります.意外に少ないので簡単に覚えられます.

覚えるパターンは

 Uパームa  R U’ R U R U R U’ R’ U’ R2

 Uパームb  L’ U L’ U’ L’ U’ L’ U L U L’2  (左手用手順)

の2種類だけですが,Uパームaだけでも揃います.最初はUパームaだけを覚えましょう.

上の手順でUパームbは,私なりにUパームa を左手用にして覚えましたので,こちらの方を手が覚えてしまっています.右手重視ならR2で始まるUパームaの逆手順パターンを覚えることになります.

 Uパームb  R2 U R U R’ U’ R’ U’ R’ U R’  (逆手順)

パターンA

一箇所のエッジのみ揃っていて,他の3箇所のエッジが▽に左回りで移動すれば揃うパターン.

  • 下向きの▽になるように持ち替えて(U,U’などで揃える)
Uパームa

パターンB

一箇所のエッジのみ揃っていて,他の3箇所のエッジが▽に右回りで移動すれば揃うパターン.

  • 下向きの▽になるように持ち替えて(U,U’などで揃える)
Uパームb

パターンC  【PLLではZパームのパターン】

両隣のエッジが入れ替わって移動すれば揃うパターン.下のどちらかを意識しなくても大丈夫です.

  • R面側とF面側で入れ換える持ち方にして揃う場合
Uパームa U2 Uパームa
  • L面側とF面側で入れ換える持ち方にして揃う場合
Uパームa U2 Uパームb

パターンD  【PLLではHパームのパターン】

向かい合う同士のエッジを移動すれば揃うパターン.

Uパームa U Uパームa

コーナーを動かさずにエッジだけを揃えるPLLは3種類しか有りません.

上のパターン表記の右にも附記しておきましたが,

Uパーム  Zパーム  Hパーム

だけですので,残りの2種類も覚えてしまった方が良さそうです.問題は「M’操作」が入ることですねぇ.(M操作と間違っていました/問題ありません)

  • Zパーム  M’2 U’ M’2 U’ M’ U’2 M’2 U’2 M’ (U2)  【M’を左手で操作する場合】

単純なのですが,微妙に違う箇所があってグチャグチャにしてしまいそう.

上の例は,M’を左手で操作する場合ですが,右手で操作する場合は右図のようになります.
U が U’ に変わります.

  • Hパーム  M’2 U’ M’2 U’2 M’2 U’ M’2

これは,リズミカルに覚えられそうです.(M2 は実際には M’2 で操作しています)

おわりに

少し欲張って他の手順を覚えると,直ぐに先に覚えた手順と混同してしまってかえって遅くなるので,未だに今回の手順集で遊んでいます.

それでどのくらいのスピードかというと・・・90秒前後をうろうろ.

多分,白十字を一つずつ揃えている点と,F2Lが全く出来ていない事が原因でしょうが,早く1分を切りたいですねぇ.

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