はじめに
以前から「ポンリー麻雀」という名称だけは知っていたのですが,内容までは良く知りませんでした.
ところが,令和8年6月30日のBS-TBSチャンネルで放送された「鈴木もぐらの雀荘放浪記(リンク切れ)」と言う番組が,TVerで再放送されていたのをたまたま視聴し,『コレは面白い!もっと知りたい』とネット中を調べ廻ったのですが,どうも今回の放送ほど「振り切れていない」内容で,いまいち面白くなかったのです.まぁ,普通の3人麻雀(三麻)の【亜種】程度かなぁと言うレベル.
しかしこの放送内容から伝わる印象は「振り切ってるなぁ」でした.内容も簡単明瞭で,老若男女誰でもすぐに遊べるほどです.
この放送内容に沿ったルール解説を探し回りましたが,どうしても見つかりません1.
そうこうしているうちに,TVerのコンテンツからも削除されてしまって,今ではこの内容を確認することすら出来なくなってしまいました.
他の方でこの事を記事にされている様子もなく,伝統の灯火が消えていくのを黙って見ているわけにも行かず,細かいルールの検証は出来ていませんが,私の記憶だけを頼りにここに「紹介」させて戴く事にしました.
基本ルール
- プレイヤー人数は3人が一般的で,4人でも可能
- 場所決め,親決めは一般的な4人麻雀と同じ
- 使用する牌は「字牌を除いた」数牌のみで108枚
- 壁牌は13幢,14幢を各二山積む
- 3人の時,18幢を三山積む場合がある
- 親がサイコロを振り,出た目の山から配牌する
- 王牌はなし(全ての牌が自摸牌対象)
- リーチ(立直)しなければ和了れない(リーチ縛り)
- ポン(碰),カン(大明槓)は出来るがチー(吃)は出来ない
- カンの補充牌は次のツモ牌(槓ドラ表示牌は無い)2
- ポン,カンしてもリーチができる
- ポンして直後に捨て牌でリーチと言う事もある
- なので「ポンリー」と呼ばれる
- 和了った人が次のツモ牌をめくってドラ表示牌とする
- ドラ表示牌の次の数字牌が全てドラとなる
- 萬子,筒子,索子の種類を問わない
- 2筒がドラ表示牌なら3萬,3筒,3索がドラ
- 最大で3種4枚の12ドラもありうる
- 親が和了った時はドラ表示牌を2枚とするルールもあるらしい
- ロン和了りは放銃者が和了り点分を支払い,ツモ和了りは他の二人がそれぞれ和了り点分を支払う
- つまり,ツモ和了りすれば「倍額」が貰える極端な「ツモ得」ルール
- 4人打ちであれば3倍になる
- 和了った人が次の親となる
- 流局の時は親がテンパイかどうかに関係なく親を続ける
- 積み棒はしないので三本場というのも無い3
- 時間制で途中でも終了する
- ノーテン罰符は無い
- 花牌(季節牌,四君子牌)を加えて抜きドラとする場合有
- 抜きドラも後述するドラの点数が適用される
- 他は一般的麻雀と同一(フリテンの扱いなど)
和了り役
ポンリーの和了り役は4種類のみ4.
- 門前立直
- ポン,カンをせずに門前のままでリーチする場合
- 2点
- 立直(ポンリー)
- ポン,カン(大明槓)している状態(副露)でリーチする場合
- 1点
- 七対子
- 通常麻雀の七対子に同じ
- 関西三麻のように槓子を二つの対子に分けること(四枚使い)は出来ない
- 4点
- 清一色
- 字牌が無いので同一種(萬子,筒子,索子)の牌のみの組合せは常に清一色
- 門前,副露に関係なく4点
王牌が無いことから,海底摸月,河底撈魚,嶺上開花などの運頼みの役は当然存在せず,一盃口,三色(同順,同刻),一気通貫等と言った存在しても良さそうな役までもが削られています.
リーチしないと和了れないので,地和や人和も当然無いのですが,天和だけは例外的に認めるそうです.しかし門前立直と同じ2点の役になります.
和了り役の複合
立直(または門前立直)と他の役は複合することが多く,その場合はそれぞれの役の点数を掛け合わせて「役の合計点数」とする.
例1.立直+清一色
立直が1点,清一色が4点なので
1 ✕ 4 = 4
となって,役の合計点数は4点.
例2.門前立直+七対子
門前立直が2点七対子が4点5なので
2 ✕ 4 = 8
となって,役の合計点数は8点.
例3.門前立直+七対子+清一色
門前立直が2点,七対子と清一色が4点なので
2 ✕ 4 ✕ 4 = 32
となって,役の合計点数は32点.
ドラの点数と和了り点
ドラの点数は特殊で,和了り役の合計にドラの数を掛けた点数になる.
例1.立直+清一色,ドラ3枚
役の合計点数は4点なので,ドラの点数は
4 ✕ 3 = 12
役の合計点数と併せて,最終的な和了り点は(4+12=)16点となる.
例2.門前立直+七対子,ドラ3枚
役の合計点数は8点なので,ドラの点数は
8 ✕ 3 = 24
役の合計点数と併せて,最終的な和了り点は(8+24=)32点となる.
例3.門前立直+七対子+清一色,ドラ3枚
役の合計点数は32点なので,ドラの点数は
32 ✕ 3 = 96
役の合計点数と併せて,最終的な和了り点は(32+96=)128点となる.
ポンリー麻雀での和了り点を求める式
以上を一つの計算式で表すなら
(和了り点)=(役の合計点数)✕{(ドラの枚数)+1}
ポンリー麻雀の面白さ
役の合計点数が多いと,それだけドラの点数も掛け算をして上乗せされるので,かなりの大量点につながる.
それがポンリー麻雀の特徴ではあるのですが,ポンしても立直すれば和了れるので,手役が無くてもサッと和了ってしまわれては,大きな和了り点の手でも無意味になります.
その辺が,ポンリー麻雀の面白いところだと思います.
ポンせずに門前であれば,ドラだけでもリーチの2点が加算されますので,大きな和了り点も期待出来ます.ただ如何せん,ポンリー麻雀は「和了るまでドラが判らない」という最大の特徴があります.
この事がスピードとスリルを味あわせてくれる要因なのかなと思いますがいかがでしょう?
ポンリー麻雀が消えた理由
最後に一応,何故このポンリー麻雀が廃れたというかあまり記憶,記録に残っていないのかに付いて書いておきます.
- ルールが単純
- ポンして和了るのが当たり前
- 役が4種類しか無い
- 役に点数を付けて掛け算で合計点としている
と,ここまでなら判り易くて初心者も大歓迎なルールなのにと思うのですが,
- ドラが和了るまで判らない
- ドラは同じ数字なら全てが対象となる
- ドラは役の合計点の倍数
- 点数はあくまでも基準点
が,スリルを味わう要素となって一発逆転狙いのゲームに化けます.他の三麻に比べて圧倒的にドラの数は少ない6のですが,「ドラは役の合計点の倍数」というのが和了り点を押し上げています.
七対子,清一色を門前立直でロン和了りすると32点なのに,これにドラ3が加わりツモ和了りすると
32✕(3+1)=128
つまり128点を他家から貰えます.4人麻雀なら384点を獲得.ドラ無しのロン和了りに比べると12倍にもなります.恐ろしい跳ね上がり方ですねぇ.
特にで最後の「あくまでも基準点」というのが危うい点で,この「基準点」に対してレート7が定められていて,それがまさに麻雀賭博につながっていったそうです.あぁ,怖い怖い.
当然のように警察の一斉捜査などで終焉を迎えることになったそうです.
しかし,リーチ縛りがダマテンを排除してしまったために,リーチ後は単純なゲームになってしまい,それも衰退の原因かもしれません.
おまけ
現在では三麻8と言えば,四麻ルールに近い関西三麻9が有名で,ポンリー麻雀のように点数計算を単純化した東天紅という関東(東京)三麻もよく動画で見ます10.
ドラの数だけで言えば東天紅がダントツに多く,ポンリー麻雀はむしろ少ない.しかし東天紅はドラを1点(もしくは2点)と数えるだけなので,爆発的な和了り点の増加は見られません.
他にも結構三麻の種類はあるようですので,調べてみてください.
書き忘れていまいましたが,ポンリー麻雀は京都三麻とも呼ばれるそうで,ローカルルールも多い為,ここで紹介したルールは一例に過ぎませんので悪しからず.
何れにしてもポンリー麻雀は,ルールを知った上で,あくまでも「金銭の授受を伴わない【遊び】の類い」にとどめておいてください.そうすればこんなに軽めの麻雀は他にないと思います.
- 再放送があったそうなんですが,実際にポンリー麻雀を実戦している肝心の映像はカットされていたとか.そんなマズイ部分が含まれていたのかどうか?今となってはもう思い出せません. ↩︎
- 動画では,この部分の説明はされておらず,他のコンテンツでは一般的な麻雀同様,嶺上牌を補充牌としているようだが,王牌が無いと言う大前提がある以上,嶺上牌も無いと考えるのが自然.したがって,槓ドラ表示牌をめくる場所そのものも無いことになる. ↩︎
- 個人的には積み棒を加えて打天九のように「場の2点」の累乗を掛けるというのも面白い. ↩︎
- 親の時は1点追加と言うルールもあるらしい. ↩︎
- 七対子は門前しか成立しないので,七対子は必然的に8点になります. ↩︎
- あくまで理論上ですが赤ドラなどの関係で,東天紅では50枚以上,関西三麻は50枚弱,普通の四麻は40枚程度になりますが,ポンリー麻雀は15枚程度が最大枚数になります. ↩︎
- 1点をいくらにするか.金額はここには書きませんが,破産に追い込まれるレベルもあったそうです. ↩︎
- 三麻の発祥は徳島だと言われています. ↩︎
- 関西三麻は「完全先付け(ナシナシ)」で,全赤ドラや裏ドラチップのご祝儀など込み入っていて,関西人なのに私には難しく家庭向きとも思えません. ↩︎
- 個人的には,東天紅の点数の(牌を並べてカウントしていく)数え方が好きです. ↩︎


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