まえおき
洗牌の後,積み上げた4段8列の牌山を基点に牌を積み上げる様子を「牌頭(疊牌)」と呼び,以下の様にサイコロを振って配牌するまでの様子を「開牌方法」と言うようです.
- 疊牌:(洗牌して)4段8列に牌を積み上げる事
- 開牌:どのように配牌するかを指定すること
- 牌頭:配り始める位置
打天九の説明でも触れてしますが,天九牌の開牌方法がものすごく沢山ある事が判りましたので,まとめてみることにしました.今回は図入り解説になりますので,判り易くなっていると思います.
trainyard@rouilia がまとめられたこちらの図解の方がずっと判りやすいので,通常使いに是非おすすめします.
ということで,情報を収集するうちに内容が膨らみすぎて3部構成にさせて戴きました.
今回紹介している開牌方法を組み合わせたり,牌山を2山,2山に分けて切耳などの開牌を適用したりと,いくつもの派生タイプが存在するようですが,基本的なものだけに絞らせて戴きました.
牌九と牌頭・開牌
カジノで行われる牌九(Pai Gow Tiles)では,まだまだいろんなアレンジがあるようです.
開牌方法そのものがパフォーマンス化しているようですねぇ.
但し,殆どが中国語音声での動画から引用1していますので,私の理解不足による勘違いがあったり,情報源の内容に間違いがあったりするかも知れません.ご了承ください.
牌九(Pai Gow)という(カジノで遊ばれている)ギャンブル性の高いゲームで積み込みと呼ばれる不正行為を防ぐのが目的で開牌方法のバリエーションが増えていったと思われます.
ですから,カジュアルな遊びである打天九の場合はそこまで細かな(複雑な)開牌方法があるわけではありません2.
サイコロが止まった位置から開牌すると言うのが本式のようですが,動画等で見る限り「開牌を指示する人が位置も決める」のが一般的なようです.この記事でも,開牌方法を指示する人に任せます.
また,牌を取る枚数を4段分まとめて取る場合と2段ずつに分けて取る場合3があるようですが,ここでは断りがない限り前者を主に説明しています.
以下,この回では「牌を取るプレイヤー順」に番号を振っています.
棟単位の開牌
開邊(カイビエン)

最も一般的な開牌方法
- 左右どちらかの2棟を親側に押し出す
- 押し出された2棟から順に2棟ずつ牌を取る
別名
- 虎頭
- 左/右
遠級/近級(イェンチィ/チンチィ)
[ 図省略 ]
- 初期牌山を90度回転してから開邊と同じ様に牌を取る
- 開牌方法を指示する人から遠い側,近い側のどちらか2棟を左右にずらす
- 押し出された2棟から順に2棟ずつ牌を取る
輪棟(ルンドン)

- 左右どちらかの1棟だけを親側に押し出す
- 押し出された1棟から順に1棟ずつ牌を取る(2巡する)
別名
- 一棟棟(イィドンドン)
中堀(チョンクー)

- 中央の2棟(4,5棟目)を親側に押し出す
- 押し出された2棟から順に内から外に向かって2棟分の牌を取る
- 空いたスペースを埋めるように牌山を寄せる場合がある
- 4,5棟目,3,6棟目,2,7棟目,1,8棟目の順になる
別名
- 開中間(カイチョンツィエン)
切耳(チィアー)

- 両端の1棟ずつを親側に押し出す
- 押し出された2棟から順に外から内に向かって2棟分の牌を取る
- 1,8棟目,2,7棟目,3,6棟目,4,5棟目の順になる
- 龍頭鳳尾と呼ぶ場合もある(牌九では全く違う開牌方法)
梅花間竹(メイフォアチエンチュウ)

- 1,5棟目を押し出す
- 押し出された2棟から順に一つずらしで2棟分の牌を取る
- 1,5棟目,2,6棟目,3,7棟目,4,8棟目の順になる
- 結果的に輪棟と同じ配牌となる
間棟(チエントン)

- 1,3棟目を押し出す
- 押し出された2棟から順に一つずらしで2棟分の牌を取る
- 1,3棟目,2,4棟目,5,7棟目,6,8棟目の順になる
層単位の開牌
片面(ピエンミエン)


- 最上段の左右どちらか1枚を親側に押し出すか他の牌の上に斜めにして置く
- 最上層から順に8枚ずつ牌を取る
別名
- 片(ピエン)
- 大片(ダァピエン)
- 大皮(ダァピィ)
起底(チィディ)
[ 図省略 ]
- (上の層を取り除くようにして)最下層から順に8枚ずつ取る
- 実際には,最初に取るべき人の下家から時計回りに上の層から順に8枚取る
- 現在は殆ど使用されていない開牌方法
橫掃(ホンソウ)

- 左右どちらか4棟の上1段×4列だけを親側に押し出す(または斜めにずらす)
- 押し出された1段×4列(4枚)の牌を取る
- 左右反対側の1段×4列(4枚)の牌を取る
- 残る段も同じ側から順に1段×4列ずつ交互に牌を取る
- 片面の左右を交互に取って2巡する様な開牌方法
級四橫掃(ジィスゥホンソウ)

- 左右どちらか2棟の上2段×2列だけを親側に押し出す(または斜めにずらす)
- 押し出された2段×2列(4枚)から順に2段×2列ずつ反対側に向かって牌を取る
- 下2段も同じ側から順に2段×2列ずつ反対側に向かって牌を取る
田字(ティアンツゥ)

- 左右どちらか4棟の上2段×4列だけを親側に押し出す
- 押し出された2段×4列(8枚)の牌を取る
- 左右反対側の2段×4列(8枚)の牌を取る
- 残る段も同じ側から順に2段×4列(8枚)ずつ交互に牌を取る
田字Ⅱ
2段4列の山を4箇所に配置してから4枚または8枚の牌を取る方法もあります.
天九牌の開牌方法(3)の最後 の方で紹介しておきました.
[脚注]
- 参考にした動画サイト等を載せておきます.
閒話天九 - 開牌頭第一講
【天九牌頭】
天九入門(八)
Cutting Tiles & Deliveries in Pai Gow ↩︎ - 打天九用の天九牌は,牌九用と違って厚めに作られているため,高く積み上げると倒れやすくなることから,あまり複雑な開閉方法は採用されていません. ↩︎
- 2段ずつ,通常4枚単位で牌を取る方法は,主にカジノで行われる牌九仕様になります. ↩︎
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